バカ博士の話
メッケはげんきなチーターのおんなのこ。はらっぱをかけまわったり、いろんなはなやむしをみるのがだいすきです。きょうもいっぱいあそびます。
メッケはちょうちょうをおいかけてもりの中でまよってしまいました。「どうしよう・・・とにかくこのみちをいってみよう」
しらないみちをずっといくと白いたてものがたっていました。とおくからみるときれいだったけど、ちかくでみるとぼっこいなぁ、そうおもいながらメッケはドアをたたいてみました。
「すみません。だれかいますか?」
しばらくするとパンダ?きょだいネズミ?でもきぐるみのあたまをとったらおっさんでした。「おじさんって、、なに?」「なにって、しつれいじゃないか。まあいいや、わたしはね、ここでいろんな研究をしている博士だよ。きみはどうしたんだい」
メッケはいいました。「みちにまよっちゃったんだ」「そうかい。じゃ、お茶でも飲んでいきなさい」
ごういんなてんかいだなぁとおもいつつメッケはたてものの中に入っていきました。
中にはみたこともないきかいやどうぐや本がたくさんありました。「おじさんはここでなにをしているの?」「おじさんはやめて博士とよびなさい」めんどくせえなぁ、とおもったけれどメッケはききなおしました。「はかせはここでなにをしてるの?」はかせはれいぞうこからジュースをだしながらこういいました。「わたしはね。ここで世のため人のためになるようなことを研究したり発明したりしているんだ。「ふーん」そういいながらメッケははかせがわたしてくれたジュースをひと口のんでみました。「うわ!しょっぱあまい!これってなに?」はかせはいいました。「これぞわたしの発明した味覚嗅覚を超越した突極の超感覚エッセンス配合ジュース、nirimuyuoysさ(なんといったかわからない)これをうりだせば億万長者になれるぞ。出資しないかい」「ふーん・・・」メッケは心の中で、しょっぱくてあまいってすきやきのタレみたいなもんだな、とおもいました。とりあえずのんでるふりだけすることにして、メッケはまわりをみまわしました。いちばんおおきなきかいからはいろんなせんがでていて、またちがうきかいにごちゃごちゃとつながれていました。メッケははかせにきいてみました。「これはなに?」
はかせはとくいげなかおになってこたえました。「これは公的資金注入型トライアスロン配分景気加速器RY-pp29だ。これをお役所に売りつけるんだよ」「・・・・・・。で、なにをするものなの?」「よくわからないところがミソだ。わからないからこそ、お役所はわざわざ予算組んで買ってくれるんだよ」「・・・・・・。で、それってよの中のやくにたつもんなの?」「それは使ってみなけりゃわからない」あんたのほうがわからないよ、そうおもったけどくちにはださないことにしました。またメッケはきょろきょろとまわりをみまわしました。おおきなつくえのうえにはいろんなこなのはいったびんがならんでいました。「このこなはなんにつかうの?」たずねると、はかせはだれもいないのにきゅうにちっちゃなささやきごえになりました。「これは内緒だがね、わたしがいま進めている研究だよ。この粉はパンダの黒い毛を赤に変えてしまうというものなんだ。そんな薬を作っているんだよ。これが完成した暁には、わたしの八百万の部下が世界中に飛び、一夜にしてこの地球のすべてのパンダを紅白に変えてしまうのさ。すごいだろ!」「・・・・・・・・・。で、なんのためにそんなことするの?」
「もちろん、笑えるからだよ!」そういうとはかせはわらいだしました。
「あっはっはっは、こりゃおもしろいって!びっくりするって!想像してみなって!あっはっはっは!」
はかせはしんせつにメッケをじてんしゃにのせて、おうちにおくってくれました。だけどおんぼろであんまりスピードはでませんでした。こりゃみちをおしえてもらってはしったほうがはやかったかなぁ、とメッケはおもいました。こどもでもチーターはチーターですもんね。その日の夕ごはんのとき、メッケはパパとママにはかせのはなしをしてみました。パパはちょっとかおをしかめてこういいました。「メッケ、あの人はね。ちょっとへんだからね。やってることもへんだからね。(これはママにむかって)ありゃ、いかれてんだよ。とにかくね、へんなのがいっぱいいるからね。とにかくもうへんなとこいくのはよしなさい」
よる、ベッドの中で、たしかにへんなひとだったけど、わるいひとじゃなかったなぁ、とメッケはおもいました。
きょうのメッケはちょっとげんきがありません。きになっていることがあるからです。
あさ、パパがよんでいたしんぶんにはかせのことがかいてあったのでした。メッケはききました。
「なんてかいてあるの?」パパはこたえました。「逮捕だってさ」「タイホってなに?」「わるいことしてつかまっちゃったんだよ。なになに?毒も薬も入っているというドリンク剤を売りさばこうとした容疑で自称博士を名乗る男が逮捕された・・・あほか。誰が買うんだよ、そんなもん」
いま、メッケははらっぱにねっころがってはかせがいったことをかんがえています。
"毒がすべていらないものとはかぎらない。薬がいつも正しいとはかぎらない。世界には毒にも薬にもならないものがあふれかえっている。それよりも、ばからしいものにこそ本当の価値があるんだよ"
よくわからないなぁとメッケはおもいました。おとなになったらわかるかなぁ。はかせがいったことが。でも、じぶんのはつめいをせつめいするはかせはたのしそうだったなぁ。そしてもうひとつ。ほんとにどくもくすりもいっぺんにいれちゃうなんてやっぱりはかせはあほだなぁ、とメッケはくすりとわらったのでした。おしまい。
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